今回、新築を建てられたN様、どこにもない様な個性的な家が誕生しました。「建替え」という決断に至るまでには、紆余曲折様々な検討がありました。もともとのお住まいは築40年、とても愛着をお持ちでしたが耐震面にとても不安を抱えており、弊社へご相談いただきました。
当初は耐震スケルトン工事で検討を始めましたが、想像以上に大掛かりな工事となるため、新築案も平行して比較検討し、最終的に新築案にてご決断をされました。
工事概要
①所在地:東京都お客様のご要望
新築プランの上でポイントとなったのは、愛着のあった以前のお住まいの「モノ」を新しい住まいに上手に生かすこと。鋳物(いもの)門扉、玄関灯、瓦などを使って、ご要望に沿った外観デザイン全体との調和を工夫・検討いたしました。オレンジ色の瓦屋根が非常に印象的だった以前の家。40年の思い出がたくさん詰まったお家の素材をうまく使って新旧の調和を取ることがポイントでした。
ブルー系のボーダーサイディングと、バルコニーのナチュラルな自然石タイルによって、他にはない個性的な外観に仕上がりました。
外観上、非常に存在感のある鋳物風門扉。こちらは既存宅で幾度もの修理を経ながら大切にされてきたもの。
金具の交換と、防錆・塗装処理を施し今回のテーマカラーであるブルーに生まれ変わりました。
夜になると、門扉両脇のヴェネチアングラスの深い青のゆらめきと共に、門扉の繊細なシルエットが際立ちます。夜間、帰宅時に灯る照明に映える繊細なシルエットは40年以上の貫禄の存在感です。
まさにアンティークと言うべき40年の歳月を経た凝ったデザインの玄関灯。
以前の家では使用頻度が少なかったようですが、LED電球や人感センサーを組み込むことにより、毎日の帰宅を温かな光で迎えてくれます。
以前の家の屋根瓦を花壇の縁取りに採用。オレンジ色のアクセントが緑に映えます。
トイレはこだわりのアンティークタイルときらめく照明で小さいながらも素敵な空間に。
陽当りの良い2階の主寝室はこの家の中でも一番のスペース。ベッドを兼ねた畳コーナー収納、そこに腰掛けて使用できるケヤキのカウンター机、ウォークインクローゼットやミニキッチンなど、寝るだけではなく居心地の良さを追求した魅力ある空間です。
お気に入りのタイルでコーディネートしたミニキッチン
1坪ウォークインクローゼット
梁の無い高天井を活かし、間接照明とシーリングファンのみですっきりした広い空間としました。N様念願のステンドグラスから印象的な青い光が差し込みます。
「ありきたりでなく、オリジナルなものを」
N様が終始一貫してご要望されたのはこんなこだわりでした。
リフォーム案から新築案に方向性が決定した後も、いくつかの間取りプランをご提案させていただきましたが、やはりこれまでお住まいだった住み慣れた間取りをある程度踏襲するかたちに決定、はじめは保守的なお考えなのかと感じておりましたが、、プランの打合せを重ねる中で、本当はやってみたいこと、ここがこんな風だったらいいな、といろいろとお話が膨らみ、打合が深夜に及ぶこともしばしば・・まさに「温故知新」とも言うべきでしょう。
もともとのお家の良かった部分(間取り、動線、窓配置、高さ、和室・・etc)はある程度そのままに、外観、ステンドグラス、ガラスブロック、タイルなど特にカラーや意匠面の部分では様々な要素を取り入れて、効果的に既存部材も活かしつつ、他にはない個性的なお家が完成しました。
もちろん、当初のきっかけであった耐震性や、断熱性、省エネ性能などのハード面は当然ながら高グレード仕様としました。
N様の理想のお家の実現にお力添えできたならば、本当に嬉しい限りです。この度はありがとうございました。今後共、末永くよろしくお願い致します。